と、その時玄関のインターホンが鳴る音がする。
浴室の脱衣場にいる二戸 梨杏がとりあえず「あ、はいっ、はーい!」と返事をしながら脱ぎかけた上半身の服を急いで直して、慌てて玄関へ走る。
途中室内のモニター画面で外の様子を一応確認すると、コンビニの袋を1つ下げて立っている中村先生がいた。
中村先生!!
先生が、帰ってきた!
先生、先生ーー!
嬉しくなって二戸 梨杏のテンションが上がる。
玄関の扉が静かに開き、ニッコリと優しく笑った中村先生が二戸 梨杏の顔を見て「遅くなって、ごめん。ただいま!」と挨拶をした。
――帰るの遅くなったのに、俺のことを待っていてくれたのか。
何度も二戸に電話をかけようかと迷ったけれど、……出来なくゴメン。



