「二戸、早く靴を履くんだ。もう、あまり時間がない」 「はーい」 今日、中村先生は私の為に無理を言って半日休暇を取ってくれた。 私を空港まで見送った後、中村先生はまた学校に戻り仕事をしなければいけない。 二戸 梨杏が名残惜しそうな顔をしながらスーツ姿の中村先生と一緒に玄関を出る。 ポチ、タマ、小春、 私の家族になってくれて、 本当にありがとう。 皆、元気でね、 バイバイ──。