中村先生の匂いに包まれて子猫みたいに眠る二戸 梨杏。


中村先生が二戸 梨杏の頭に顔を近づける。


二戸のシャンプーの香り。


華奢な二戸の体の線。


もう、全部、離したくない。


できるなら、このまま、ずっと──、


時が止まってしまえばいいのに。


本気でそう思った。