「太陽が顔を出すまで、今日はここでぐっすりと眠ればいい」 中村先生が二戸 梨杏の体をきつく強く抱きしめる。 「……先生、いいの?」 「うん。ここで眠ればいい」 「中村先生?」 「ん?」 「もし、イギリスで寂しくなったら、会いにきてくれる?」 「ああ。翼を広げて旅鳥のクロウタドリになって、二戸に会いにいくよ」