探して後で持っていってやるよ、そう俺が言いかけた時。 「あ、やっぱり……あった」 声を出して笑いながら、しゃがんで机の中からアルトリコーダーを取り出す二戸と目が合った。 あどけないあの笑顔が俺の胸をきゅっと締め付けた。 二戸、一緒にイギリスに行く準備をしないとな──。