ジョージ先生が大きな手を差し出した。 「梨杏、君がイギリスへ来て新しい空気に触れ、味覚を覚えれば。また、君の中の芸術の世界が広がることは間違いがないだろう」 ──だけどね、私は決めたんだ。 二戸 梨杏がジョージの手を握り固く握手を交わした。 「ジョージ先生、私はイギリスに行きます!」 ジョージ先生が優しく微笑む。 「よく、決心をしてくれたね。僕はイギリスで君が来るのを首を長くして待っているよ!」