「……イギリス。しかし、二戸は英語が全然できないんですよ……。どうすれば」
「大丈夫です。二戸さんの絵は本当に素晴らしい絵です。この私が言うから、絶対に間違いはありません。きっと、イギリスへ行けば、自然に語学力だってすぐについてきますよ。現に、私が昔そうだったから──」
「桜井先生、それは甘いです。だって、二戸は１人で外国へ行って生活をするんですよ。文化や風習が違うイギリスに、二戸がすぐに馴染めるとは思えない……」
「じゃあ、素晴らしい才能を持っている二戸さんが外国へ行ってはいけない理由が何かあるんですか──」
