壁に背中をもたれるようにして立ち、ノートと筆箱を大切そうに両手で抱えながら中村先生の話を聞いている桜井先生、中村先生の気迫に少し押され気味の様子。
「す、……すみません。校長先生には先に話をしたんですが。校長先生が別に中村先生には話さなくてもいいでしょう、と穏やかに話されて……」
「校長先生が……、そんなことを!」
「ま、まさか……、二戸さんの絵がきっかけで、こんなことになるなんて、私も思っていませんでした。でも、あのジョージ先生の目に留まるなんて、奇跡に近いぐらい凄いことなんですよ仲村先生!」



