そうだ、二戸に前に話をしたことがあった。
あれは、確か二戸が初めて俺の家にやって来た時のことだった。
『ポチ・タマ・小春、これが俺の家族だ!』
──イヌガエル・ネコガエル・パンサーカメレオン!
『全部、先生のペットでしょ?』
少し真顔の中村先生。
『違う、俺の大切な“家族”だ!』
『家族?』
『そう。そして、昨日の夜から、もう一人俺の大切な家族が増えた。二戸 梨杏、お前は俺の大切な妹だ!』
二戸がこんな絵を描いていたとは……、俺は全く知らなかった。
──俺にとって、大切な家族。
二戸 梨杏も俺の大切な家族の一員。
まさか……、
まさか……、
そんな二戸が、
──もうすぐ、イギリスへ。



