ことの発端は──、 美術の先生がこっそりとだダメ元で二戸 梨杏の絵をコンクールに出したことだった。 二戸 梨杏が描いたピカソのような絵。 2年生の時に以前、二戸 梨杏が描いたポチとタマと小春の絵が全国高校絵画コンクールで大賞を受賞し、只今美術館で展示をされている。 当然、二戸 梨杏は自分が描いた絵がコンクールの応募に勝手に出され、大賞を受賞したことなど全く知らずに平凡な毎日を過ごしている。