『ねぇ……先生?ねぇ、中村先生ってば?答えてよー?』 『美術の桜井 陽美(さくらい はるみ)先生』 二戸を驚かせるつもりの一言だったが、いけなかった。 二戸に冗談は一切通じなかった。 真顔のまま固まっている二戸 梨杏。 「中村先生……」 ──中村先生、ちょっ……ちょっと待って、美術の桜井先生って、中村先生と年が近いし、まだ若いし、色白美人で有名な先生だよ……。 絶対に危険、危険、危険!