空を見上げると、さっきまで青空が広がって天気が良かったのに細かい雨粒がポツポツと降り始めてきた。 「あっ、中村先生。……雨」 ざざ降りにはならないだろが、学校まで急ぎ足で戻る中村先生と二戸 梨杏。 「よしっ、急ごう、もう少しで学校だ……」 「先生、ちょっと待って。……足が痛い」 「えっ……」 「私、転んだ時に、ちょっと膝を擦りむいた……」 「わかった、──後で、保健室に行こう」 「うん」と頷く二戸 梨杏。