勝負が一瞬で決まった。 「どうして、皆パーを出すのー?」 そう言ったのは、目を潤ませて半泣き状態の二戸 梨杏だった。 他にチョキもあるじゃん……。 私が出したのはグゥー。 絶対に勝てると思っていたのに。 この拳が憎い──。 でもっ。 私がメイド役、やだ、やだっ、絶対にやだ!! 必死に裏で逃げ回る二戸 梨杏。