晴れ時々@先生の妹【第2巻】


だけど、あの時、拓夢を守る為の部屋は、あの部屋しかなかったんだ。




拓夢が機転を利かして二戸をクローゼットに匿っていてくれていなかったら、と考えると。




拓夢があの時にいてくれて、本当は良かったのかもしれない。




拓夢も二戸も本当に無事で良かった。




穏やかな表情の中村先生。



「拓夢、あとは親父を頼んだぞ」




「うん。兄さんの家に、また行ってもいい?今度は、家出じゃなくて。遊びにね」





「俺の家には、可愛い妹がいるから。さぁっー、どうしようかなぁっ……?」




と、惚けながら中村先生が腕時計を見る。




「あっ、いけねぇ、学校に早く行かないと。俺、遅刻するわ」



兄さんって、やっぱり、わかりやすいーー。



拓夢が笑う。