私は今日も、腕を縛ってもらって眠りにつく。
これがないと、安心して眠れない。
もしも…。
そんな恐怖に駆られる。
今日は、リュウが私に付き添ってくれている。
まさか、レンが他の人に私の付き添いを頼むなんて。
あんなにヤキモチ焼いてたのに。
そうよ、リュウにだって…。
でも、レンもリュウが来てくれて心強かったんだろう。
とてもうれしそうだった。
リュウが代わってくれると申し出てくれたから、レンはレンの仕事をしている。
暇を見つけて、今回の件についても調べると言っていた。
レンの身体が心配だ。
きっと、あまり眠れていないだろう。
いつ、私が暴れだすか、そればかり気にして。
レンは、優しいから。
「リュウ、レンに、話聞いたんでしょ?」
「ん?…その縄の意味か?」
「…うん」
ベッドに眠る私を、椅子から眺めるリュウ。
ベッドは一つしかないから、一緒にって誘ったけど、さすがにそれは断られた。
私だけベッドでぬくぬく、とっても申し訳ない。
「…もしね、」
「言わなくて、いい」
「でも、」
「大丈夫。デコピンでもして逃げるから」
「で、デコピン?」
さすがリュウだ。
なんでも笑顔に変えてしまう。
私の心は、少しだけ軽くなった。


