「ねぇ」




ベッドの脇にしゃがみ、レンを覗く。
うつ伏せで向こうに顔を向けていたレンが顔をこちらに向ける。




「なんだ」

「ふふっ」




顔がニヤける。
レンは少し虚ろな目を向けながらそんな私を見つめる。



「なんだ」

「レン、ヤキモチやいてるの?」

「は?」



虚ろな目が開かれる。
私は可笑しくてクスクス笑う。



「ね、ね、どうなのよぉ」

「……ヤキモチくらい焼くだろう」

「え?」

「自分の好きな人が他の男の話ばかりしたら、ヤキモチくらい焼く」



はっきりとそう言われ顔が熱くなる。
言葉を失い、嬉しさが徐々に込み上げてくる。



「ん?紗南が言い出したことだろう。顔が真っ赤だぞ」

「なっ、だっ、だって……」


レンの手が伸び私の頬に触れる。
冷たいレンの手が心地よく感じる。
ああ、大好きな人の手だ。



「あまり、フラフラするなよ」

「しないよっ」


できないよ。
レンのことでいっぱいで。
毎日どんどんレンのこと大好きになってる。



「俺は、寝る」

「うん。おやすみ、レン」



ゆっくりと眠りに落ちていく愛しい人。
それを見ながら幸せをかみしめる。