続♡プリンセス☆ロード





「どうした?」

「…人魔、って…なに?」




私の言葉に反応したのは、意外にもレンではなくソウシだった。
ガタッと音を立てて、側にあった棚の上の小物を落とす。
明らかに、動揺が見て取れた。



「ソウシ…?」

「す、すいません…。なんでも、ありません」




ソウシは、冷静を装いそう言うけれど、明らかに様子がおかしかった。
何かを、知っている?




「…聞いたことは、ある」

「なんなの?人魔って…、悪魔とは違うの?」




そんなソウシを気にしながらも、レンが答える。
レンは、知っていた。
でも、聞いたことがある程度?




「…人魔とは、悪魔と人間の間に生まれた子。言わば、禁忌の子だ」

「禁忌の…子?」

「ああ。人間と悪魔、種族の違うものは決して交わってはいけない。犯してはいけない法だ」




それでも、それを犯し生まれたのが人魔。
禁忌の子と呼ばれている、人たち。

じゃあ、あの仁という彼も、人間と悪魔の間に生まれた人魔ということ?
見た目は、まるで人間だった。
違うのは髪の色と瞳の色。




「人魔に、会ったんですか…?紗南さまたちを襲ったのは、彼ら、なんですか?」

「え…?あ、…そうだって、言ってた。仁って人で…見た目は本当に人間みたいで…」





動揺を隠せず捲し立てるように尋ねるソウシに、私は戸惑いながら答えた。