仁は、まだ完ぺきに気持ちが晴れたわけじゃない。
だからこそ、訓練だって気持ちが入らないんだろう。
たぶん、みんなそれをわかってるからそれをとやかく言う人はいないだろう。
この国に尽くすことが償い、とは言ったけれど、心からこの国に仕えたいと思うことが先決だってレンが言っていた。
この国を愛してくれなければが意味がないと。
だから、しばらく温かい目で見ていかないといけない。
この国に復讐しようとしていた仁が、心からそう思える日はいつか来るんだろうか。
でも、ソウシみたいに人との出会いで変わる日が来るかもしれない。
素直じゃない仁には少し時間はかかるかもしれないけど。
「こんなところにいたのか」
「レン、お疲れ様」
王の正装をしたレンがやってくる。
穏やかな表情。
悩み事が消え、少しスッキリしたみたい。
「終わったね、全部」
「ああ…。でも、これが始まりだ」
「うん」
「復讐を考える者がいなくなる世界を、作りたい」
レンが、決意を込めた言葉。
復讐を考える人がいない世界。
そうだね、とてもすてき。


