「本当に、ありがとうございました」
「…え?なにが?」
「紗南さんに出会えたこと、僕は本当に感謝してます」
ソウシは私の隣に並んでまっすぐ外を眺めながら言った。
優しい風が二人を包む。
私は視線をソウシが見ている景色に移す。
「私も。これからも、よろしくね」
「はい。こちらこそ」
ソウシの罪悪感はいつになったら消えるのだろう。
ソウシの性格上、それはなかなか難しいような気がする。
そんな優しいソウシの事、みんな大好きなんだ。
「ソウシ―!」
ドタバタと走る足音が聞こえ姿を現せたのはミナト。
ミナトだって、ソウシの事が大好きなのは、見て手に取るようにわかるのに。
「ちょっと、仁の奴がさ!訓練サボるんだけど!ソウシからちゃんとしろって言ってやってよ!」
「え、…はい。すいません」
「もう!そんなソウシに委縮してほしくて言ったわけじゃないって!ていうか、冗談っていうか、いや、本当なんだけど…あーもう、どう言ったらいいの!?」
慌ただしく騒ぎながら、ミナトはソウシを連れていく。
私の存在にさえ、気づいていなかったみたい。
「ふふっ」
私は二人を見送りながら温かい気持ちに包まれる。


