私たちは、ソウシのいる牢にやってきた。
レンが錠を外し中にはいる。
「ソウシ!」
「…紗南さん…?」
「ソウシ~!」
思い出せたことが嬉しくてソウシに抱きつく。
ソウシは戸惑いながら私を抱きとめてくれた。
「…もしかして、思い出されたんですか?」
「うん!思い出せた!思い出せたんだよ!」
「そうですか…よかった…」
心からホッとしたように体の力を抜くソウシ。
やっぱり、信じられないよ。
こんなに心優しいソウシが……。
「ソウシ、本当の事を教えてほしいの」
「……」
「ここにいたらいけない人間って、どういうこと…?」
身体を放し、まっすぐ見据えるとソウシは少し動揺した瞳を揺らす。
知りたいの、本当の事を。
「…そのまんまの意味ですよ。僕は、皆さんを裏切ったんです」
ソウシは吐き捨てるように言った。
裏切った…?
私はレンを振り返って見る。


