「…そうか」
私が、思い出したそのことを告げると、レンは唇を噛みしめながらそう呟いた。
そして、もう一つ思い出したこと…。
「いつだったか、私、誰かが言い争う声を聞いたの。姿は見えなかったけど、そこから出てきたのは、ソウシだった。でも、ソウシは、知らないって言ってたけど…」
思い出せば思い出すほど、疑いが深くなっていく気がする。
疑いたくなんてないのに。
「ソウシが、否定しないことで、その疑惑は…深まっていっている気がする…」
レンだって、そんな事信じたくないんだ。
牢にだっていれたくなんてなかっただろう。
でも、王として、決断をしないといけなかった。
「ソウシに、会いに行こう」
「ああ…」
それで、悪い結果だったとしても。
それを受け入れなきゃ。
「俺たちも、一緒に行かせてくれ」
「リュウ…うん。当たり前だよ」
皆で行こう、ソウシのもとに。


