続♡プリンセス☆ロード



どうしてあんな優しそうな人が、こんなところに閉じ込められているんだろう。
私はそっと檻を掴み、なるべくその檻に近づいた。




「…ソウシ…?」



恐る恐る声をかけると、ピクッと動いた肩。
ゆっくりと見開かれる瞳は、まっすぐと私をとらえた。
その瞳が、揺れたのを、感じた。




「紗南…さん…?」



消え去りそうな震える声で名前を呼ばれ、胸が締め付けられるよう。
どうしてみんな、そんな風に私を呼ぶんだろう。





「紗南さん…、どうして…」




ゆっくりと近づく彼が、歩くたびにジャラジャラと足に繋がれた鎖が鳴る。
その音を聞くと、頭がズキンと痛んだ。





「ああ…本当に、紗南さんなんですね…」

「…はい」

「髪が…こんなに短くなって…ああ…」

「髪…気づいたら短くなってたんです。…あなたが知ってる私は、髪長かったのね」




とても、大事な人を見るような瞳で、見つめる彼は、なにをしたというの?
こんなにも、私を想ってくれている。
そんな彼を、こんなところに閉じ込める理由は、いったいなんだというの?




「あなたに、会いたかったんです…」

「え…?」

「…思い出したいから。私が忘れてしまってること…」





私がそう告げると、彼は寂しそうに笑った。