「持っていた古いランプが割れた上に落ちて深く傷ついている。もう少し深ければ命に危険があった」
「え…そ、そんな…」
とても、大ごとになってしまっていたんだ。
自己嫌悪…。
私のせいで、みんなに迷惑をかけてしまった。
空回りしている気がして…。
「まだ血も止まっていないんだ。あまり動くな」
「…ごめんなさい」
「紗南ちゃん、ほんと心配したよ…。心臓、止まるかと思った」
「ミナト…」
「あ、ごめん。久しぶりに紗南ちゃんって呼んじゃった」
「ううん…。嬉しい」
ミナトも少し気が動転しているのか。
でも、昔みたいに呼んでくれたことが嬉しい。
「…少し、頭がフラフラする…」
「当然だ。血を流しすぎてるんだ」
レンは、心配してくれてはいるんだろうけど、いつも通りのレンだ。
あまり大げさに心配されるよりはいいけどさ。
「王妃さま…、本当に申し訳ございません!」
「え?」
血の気が引いたように青い顔をしたメイドが深々と頭を下げる。
今にも土下座でもしてしまいそうな勢いだ。
どうしてそんなに謝るんだろう…。


