連れて行かれた大広間には、本当に豪華な食事がテーブルいっぱいに並べられていた。
何人分の食事なんだと思えるくらいの量に口をあんぐりとあける。
そこには、レンの姿もあって、なんだか気まずい。
私は、レンの隣に連れて行かれ座らされた。
さらに気まずくて横を向けない。
というか、隣が私でごめんなさいね、くらいの勢いだ。
「いただこうか」
レンの号令でみんなが食べ始める。
本当にこの人が王様なんだと気付く。
…私、ものすごく失礼なことをしているんじゃないだろうか。
私は王妃と言われてるけど、私にはそんな自覚ないし。
だとしたら、本当に無礼者だ。
でも、関係ないけど。
口に運んだ料理は、本当にどれも美味しくて、ほっぺたがとろけそうなくらいだった。
「お、おいしい!」
目を輝かせて次々に口に運ぶ。
見たことない料理もたくさんあるけど、食べてみればどれも美味しくて驚く。
「…あ、そう言えば、ソウシは?」
私の口が、さらっとそんなことを言う。
レンがピクッと眉を動かしこちらを見た。
ミナトも同様だ。
…あれ?


