続♡プリンセス☆ロード




「なぜ、泣いてる」



レンは、私の泣き顔を見逃さず、私の腕を掴んで引き止めた。
私は、その腕を振りほどこうと腕を動かすけど、男の人の力には敵わない。




「泣いてないよ」

「ウソつけ」

「ウソじゃない」



私はそう言いきる。
泣いてるなんて、思われたくない。
悔しい想いも、知られなくなんてない。

だって、この人が見てるのは、私じゃない。





「放して!」



強引に腕を引くと、ようやく放された手。
私は、走り出して城の中に入った。


階段を駆け上がっていく。




なんで、こんな心が乱れるの?
あいつがどんな私を見ていたって関係ないのに。




私は、別にあいつにどう思われたって、関係ないのに。







「わ、紗南ちゃん?」




階段を登りきったところでミナトとぶつかった。
私はそこで、ミナトに泣きついてしまった。

わんわんと声をあげて泣く私を戸惑いながら慰めてくれるミナト。


ミナトだって、私じゃなくて違う私の事を求めてるのに。