続♡プリンセス☆ロード



「ウソじゃないよ、だって、俺。確認しに行ったからね、君の髪を持って。でも、意味なかったんだ。だから持って帰ってきたよ、ほら」




斜めにかけてあったカバンの中から取り出されたのは、私の髪の毛。
意味なかった…。
これを、渡す相手が、いなかったから…?




「だからね、もう城に戻ってもレンはいないんだよ。君の大好きなレンは」

「いや…そんな…」

「だって、見ただろう?レンの身体から流れていく血。どんどん溢れていって…」

「やめて!もう…」

「忘れたい?忘れたいよね、うん。忘れちゃおうよ」




仁の声が、なにも考えられなくなった私の頭に直接響いてくる。
忘れる?
忘れたら、楽になる?




「楽になるよ。俺が、楽にしてあげるよ」





仁の手が、私の目に添えられる。
私はそっと瞳を閉じた。






「なにもかも、忘れてしまえばいいよ」





声が、響く。





私の意識は、深く深く落ちていった‥‥‥‥。