「…いいこと、教えてあげようか?」
「…っ」
こいつが教えてくれることにいいことなんて一つもない。
私は、顔を横に向け仁から顔をそらした。
「レンね、死んでたよ」
仁の口から発せられた言葉。
私は、目を見開いた。
「…っ、う、そだ」
「ウソじゃない、本当だよ。可哀想だね、使用人なんかに気を許したばっかりに、命を落としちゃって。本当に、残念だよ」
まるで感情なんて籠っていない声。
信じない。そんなこと、絶対に信じるもんか!
「ウソつかないで!レンが死ぬはずない!」
「死ぬはずない?どうして?信じたくないの?自分のせいで、死なせてしまったこと」
「やめてぇ!」
耳を塞ぎたくても塞げない。
聞きたくないのに聞こえてくる仁の淡々とした声。
私の心を乱していく、言葉たち。
「そうだよね、死んでも死にきれないよね。だってこんな、地球から来たってだけで何の力もない女に振り回された挙句死んでいくんだから」
「やめて…」


