「レンさまも、紗南さまはここにいる時が一番いい顔をしていると申されてました」
「え…?」
「だから、庭師には特別腕のいい者をお集めになったそうですよ」
私は、立ち上がりシオンくんを振り返る。
レンが、そんなことを…?
私が寂しくないように…。
「そっか…。ありがとう…」
私の知らないところで、私はレンの優しさに包まれてるんだ。
不器用なレンだから、自分ではそんな事言ってはくれないけど。
きっと、それ以外にも私のためを思っての事たくさんあるんだろうね。
「レンらしいや…」
レンの愛に包まれてる。
そのことが、嬉しくて。
その時、強い風が吹く。
花たちもその茎を大きく揺らす。
まるで竜巻のような強い風に、その場に立っていられなくなる。
「きゃっ」
「紗南さま!」
シオンくんが、こちらに駆け付けてくれようとしているけれどその風に阻まれる。
私はバランスを崩し、その花壇に倒れこもうとした瞬間…。
ドウン!!
大きな爆発音とともに、私の身体は吹き飛ばされた。


