続♡プリンセス☆ロード




気づかなかっただけ。
こんなにも、愛されていたのに。



「ミナト…、これから返していこう。ウィルさんに、親孝行しなきゃね」

「…っ、うん」



たった数年だったかもしれない。
でも、それでも確かに父だったんだ。
血は繋がっていなくとも、種族の違いがあったとしても。



「帰ろう、ミナト」

「うん」



泣き笑いのミナトが顔を上げる。
憑き物が落ちたようなすっきりした表情。

私は、なんだかうれしくなってミナトの頭をわしゃわしゃと撫でた。



「わ、紗南ちゃん。やめてよっ、もう子どもじゃないんだから!」

「いいの!やらせなさい!」



私も嬉しい。
ミナトがこうして笑えている今が。



「紗南を抱きしめたって、レンが知ったら…オー、こわ」

「ちょ、リュウ!やめろよな!そんなんじゃないから!」

「事実は事実だしなー」



リュウは茶化すようにミナトに突っかかる。
ミナトは慌ててリュウを止めようと言いあっている。
あ、なんだかいつもの二人だ。


それが、なんだかうれしくて止めに入るのを少しためらった。