続♡プリンセス☆ロード




だからこそ、こうして面と向かって直接聞いてるんだ。
その口で、本当の事を聞きたいから。


「…君に初めて会ったのは、この先の、本当に人間の大陸とこちらとの境辺りでね」



ウィルさんが、指でその先を指しながら答える。
ミナトは、ちらりとその指の先を確認した後、ウィルさんに視線を戻した。




「思わず手を伸ばした私の指を、小さな小さな手で握ったんだよ…。君に、必要とされた気がしたんだ…」

「…」

「だからだよ」

「え…それだけ…ですか…?」



ミナトは、戸惑ったようにそう呟いた。
人間の子どもを拾う理由にしては、とても小さいような気がしたんだろう。



「…少しの時間だったけど、あの時間はとても幸せだった。まるで、本当の父親になった気分だったよ」

「…どうして…」

「ん?」

「どうして、俺なんかのために…。その羽、…俺のせいなんだろ!?」





泣き叫ぶようにミナトが言う。
ウィルさんの優しさが、きっとミナトに伝わったんだ。
だからこそ、自分のせいでという思いが強まる。



「君を、守りたかった。私は、君の本当の父ではないけれど、なりたかったのかもしれないね。君の、本当の父親に」

「本当の…父親…」

「愛していたんだよ、ミナト」




それは、本当に心からの思いで。
私の瞳からも一筋の涙がこぼれた。