私たちは、レンの部屋に集まっていた。
ミナトは一番隊の任務があって不在だ。


「…ねぇ、皆ってミナトの生い立ちの事…知ってるの?」



つい気になって尋ねた。
リュウの事も、皆は知らなかった。
レンは自分が王子だって黙ってたから知らないふりをしていたんだと思うけど。



「ああ…。悪魔に育てられたってやつ?聞いたのか?」

「あ…うん。知ってるんだね」

「この城では結構有名な話ですよ」

「そうなの?」

「結構大きな問題になったみたいですからね」


問題か…。
やっぱ、悪魔に育てられるって異例なことなんだろうな。



「でも、本人はああいう人当たりのいい性格に育ってますし。誰も、ミナトを虐げる気持ちはありませんよ」

「ミナト、いい子だもんね」



いつも明るくて、優しくて。
無邪気なミナトが大好き。




そんな事を話していると、バタバタと大きな足音が近づいてくる。