「…よし」
レンはそういうと私の肩から頭をあげ、リュウとミナトが走っていった方へ歩いていく。
よしってなに?
なにがよしなの?
ちょっと、レンー!
「ま、待ってよ!」
振り回される私。
ああもう、今に始まったことじゃないけど、胸がドキドキとうるさい。
「全てが落ち着いたら…」
「え?」
「紗南、俺のものになれよ」
「…え?」
追いついた私にレンはそう言い放つ。
俺のモノって一体…。
「今は、いろいろと邪魔が多くてかなわんからな」
「………!」
なんとなく、レンの言葉の意味が理解できたような気がして顔が熱くなる。
いや、いや…。
うん、そりゃあ、ね。
夫婦なんだし。
ね。
うん。


