大好きだよ。
ミナトも、ソウシも。
もちろんレンも。

ロイドだって、セリムだって。
後は後は…。


この世界にいる人、みんな大好きだ。



初めは、こんな誰も知らない世界嫌だった。
でも、今はこんなにも私によくしてくれる人たちがいる。

自暴自棄になって、寂しさに押しつぶされそうにもなったけど。
でも、私はこの世界が今でも大好きだ。



「紗南ちゃん。俺ね、この国が大好きだ」

「ミナト」

「俺が、生まれてきてよかったと、思わせてくれた人たちがいる国だから」

「そうだね」



必要にされるって、どれほど心強いか。
生きる糧になる。
生きる希望になる。

「生きて」と誰かに言われるだけで。
必ず明日も生きていようと思える。




「そうだ。リュウがまたこっちに来るってさ」

「え?また?嬉しいけど、大丈夫なの?」

「ほんと、自分の国をほってさ。王様失格ー」

「もう、そんな事言ってたらリュウに怒られるんだから」



相変わらず、仲がいいんだ二人は。