「みんな、いろいろ抱えてるからね」

「みんな?」

「うん。リュウも、ほら」

「ああ、故郷の事…」

「そう、ここの王様はさ、レンも含め、そういう訳ありな人間に優しいから」





放っておけないんだろう。
レンは、俺様で他人の事なんて顧みないように見えるのに。
本当は、誰よりも国を想い、国のために生きているような人。



「…皆って、ソウシも?」

「さあ?俺、ソウシの事よく知らないんだ。俺が騎士に入った時にはもういたし。みんなそうだけど、自分の事話そうとしないしさ」

「そう…」

「でも、なにか抱えてるんじゃないかな?時々、すごく思いつめた顔するから」




ミナトは、シレッとそう言う。
あまり、興味がないのか。
ううん、関係ないんだよね。

ソウシがどんな過去を抱えていても。
関係なく、受け入れる自信があるんだ。


自分が、そうしてもらったように。





「紗南ちゃんは、こんな俺、嫌いになった?」

「なんで?大好きだよ」

「そっか。やった」




ミナトは無邪気に笑った。