「レン!!!」
迷うことなく抱きついた私を、抱きとめてくれた。
間違いなくレンだ。
レンだ!
「おかえり」
「…ごめんなさい」
逃げ出した私を、咎めるでもなく、“おかえり”と迎えてくれる。
怒られることを覚悟していたから…。
レンが、私の頭を撫で、その手を頬に向かって撫で下ろす。
「レン…会いたかった…」
「ああ…俺も」
レンの顔が近づき、私の唇を塞ぐ。
もう、怖くなんてない。
誰と重なることも、ない。
「…休めたか?」
「うん…。私、負けない。頑張るよ」
「困ったな、紗南が頑張ると、目が離せない」
「ちょっと~」
くしゃっと笑うレン。
なんだかレンの笑顔、久しぶりに見た。


