帰る準備を整えておけ。
ロイドにそう言われて部屋に戻された。
帰る準備…。
私、帰ってもいいのかな?
ロイドには頑張るって言ったけど…。
でも、結局また迷惑をかけてしまうんじゃないかな。
レンには、会いたい。
会いたいけど…。
「紗南、準備できたか?」
「え、あ…うん…」
「じゃあ、行くぞ」
「行くって、え…」
全てが強引に進んでいく。
私は慌ててロイドについて行く。
ロイドは、私が邪魔なんだろうか…。
「ねぇロイド…、もう少しいたらダメ?」
「なにを馬鹿なこと言ってんだ。今日帰ろうが明日帰ろうが一緒だろ」
そりゃあ、どうせ帰るんだったらそうかもしれないけど。
心の準備というものがあるし…。
なんてそんなこと、ロイドが聞き入れてくれるわけないんだけど。
そんな事わかりきったことだったわ。
「…こっからは一人で行けるな」
「え、こっからって、まだ城を出たばかり…」
もう少し見送ってくれたって…。
なんだかロイド、冷たくない?


