「ご友人ということで王妃さまとのその軽口は百歩譲って目をつぶっているんですからね」

「わかってるって」





なんだか、とても厳しい人みたい。
でも、リュウも別にそれを疎ましく思っている風ではない。
なんとなくこの二人の間に流れる空気は聞いている感じよりもだいぶ穏やかに思えた。




「紗南、紹介する。俺の側近で、いろいろと世話を焼いてくれている、ユノ。20歳だ」

「は、二十歳?若いのね」

「ほら、やっぱり歳くってみられるんだって。口うるさい爺さんみたいだろ?」

「えっ、いや、そこまでは言ってない!…ただ、しっかりしてるなぁって」




だって、リュウよりも年下ってことだよね?
それなのに、なんだかリュウより偉そうだ。




「代々王に仕える側近を生業としているから、幼いころからいろいろと叩き込まれているらしい。だから、パッと出の俺なんかより全然礼儀とかいろいろしっかりしてんだ」

「へぇ。心強いね」

「スパルタだけどな」





うん、今の一瞬でわかるよ。





「ソウシも、元気そうでよかった」

「はい。リュウも元気そうで」






ソウシとリュウの間にも暖かなものが流れる。
二人もずっと一緒に戦ってきた仲だ。
身分は変われども、変わらない絆はある。