教室に戻るとクラスの女子たちが詰め寄って来る。

「綾香ちゃん、千夜君と知り合いなの?!」

「い、いや・・・そういう訳じゃ・・・」

「手繋いでたよね!!」

「あ、あれは掴まれただけで・・・」

次々と質問攻めに会う綾香。

(はぁ・・・面倒くさい事になっちゃった)

「まあまあ、そのへんにしといてあげなよ。」

女子たちがヒートアップしてきたところで、ななみがストップをかける。

「ななみ、ありがとう・・・」

「いいって!」
「それより、早く行かないと食堂いっぱいになっちゃうよ?」

そう言って綾香の手を引くななみ。

ななみは面倒見がいいので、いつも助けてもらってばかりだ。
綾香は、そんなななみが少し羨ましかった。









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綾香とななみがそんな会話をした数分後、事件は起こった。