今更ながら自覚した自分の体に、震えが止まらなくなった
俺は、普通じゃない…?
いや本当は知っていた
自分が普通じゃない事を
「…は、ははは…っ」
溢れ出した乾いた笑い
それは普通を越える何かを求めていた物が、俺自身である事を認めざるを得なかったからだった
その時だった
ドッカアアアアンッ!!
耳を貫く程の爆音
耳鳴りを感じる程のそれに後ろを振り返ると、先程のあの男がいた所から砂ぼこりが上がっていた
これは、異常
俺が求めていた¨変異¨だ
再びもと来た道を走り出した俺の顔からは笑みが引っ付いて剥がれなかった
この胸の高鳴りは
体の高揚は
とてつもなく心地好く感じた
「…はぁ…はぁ…っ」
音が聞こえた場所にたどり着いた俺は、興奮からくる息切れを起こしていた
「…すげぇ」
目の前で起こっている事はマサに非現実的
頭の中で毎日思い描いた想像を遥かに越える事件
―――俺が、ずっと求めてきた物だ
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