ギークス…?
ハンター?
仲間?
訳の分からない言葉を並べる男に異常を感じた俺は辺りを見渡す
しかし人一人いないこの状況を思いだし、俺は逃げるようにその場を駆け出した
「まっ、待ってくれー!!」
後ろで一際デカイ声を上げた男にビクッと体を強張らせながら、全速力で走る
あの男は可笑しい
異常者だ
気持ち悪ぃ
あんな奴と俺が仲間?
何言ってんだ!!
「…っ!」
走り出してから数メートル離れた所で俺はようやっと足を止めた
全速力だったにも関わらず、然程息は上がらない
これは昔から
俺は五感も優れて、普通より運動神経が良くて
勉強はそこまでじゃないけど、たまに自分が恐く感じる時がある
骨折した時は3日で治った
喧嘩で4階の窓に放り出されてもほぼ無傷だった
何をやっても直ぐに完治して
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚が人並み外れて敏感で
人間が好む物が好きになれない
気持ち悪いとさえ思う
「………俺も、異常じゃねぇか」
.