きっと…このシーンは10年ぶりの会話だからお互い溢れる感情抑えてるシーンなんだろうな。
『……声聞きたくなっちゃって…。』
「…………。」
『…ごめんね迷惑だよね。』
ユウの役に感情移入すると、何故か切なくなって涙腺が緩みそうになる。
それも目の前の男が切なそうな瞳をしているからだろうか。
「……構わない。」
『ハルは昔から優しいね。…海外からでもハルの活躍は耳に入る。ずっと凄い俳優が日本にいるって聞いてたからそれがハルって知った時、どうしても声が聞きたくなって…我儘だよね』
「………。」
『…ごめん、この電話で最後にする。出てくれてありがとう。』
と、ここでユウが涙をこらえながら電話を切る。ってシーン。
「……なんで優華が泣くんだ?」
気づけば、感情を込めすぎて涙が流れていたあたし。
『ずっと両想いだったのに結ばれなかった2人って辛いなって思いながら台詞を言ってたら…つい。』
そんなあたしを國…蓮二さんはニコッと笑い
頭を撫でて来た。
「そこまで感情入れるなら大丈夫だ。撮影も緊張しなくていい。」
№1俳優にそういってもらえると自信もやる気も沸いてくる。
