kiss × キス × kiss







國府田蓮二が立っていて…









物凄く疲れた顔をしていた。









あたしは慌てて玄関を開けにいくと










「よ。ただいま。」








『…おかえりなさい。』










って…え!?
なにこの新婚さんみたいなやり取り。










「帰ってきた時に、おかえりが聞けるのいいな。」








…この人、頭おかしくなったのかしら?










なんか雰囲気が甘い気がする。
カレカノでもないのに、何を言い出すんだ突然。










『そうですか;…で、何しに来たんですか?』







「冷てーな。台詞覚えるのに大変だろうから読み合わせを手伝いに来たんだよ。」






…確かに、1人で覚えるより読み合わせした方が覚えやすい。










しかも本番も相手は國府田蓮二だし。










『…本当にいいんですか?』







「あぁ。俺がいるから大丈夫って言ったろ。」








…さっきの英語で会話したときの…







あれ緊張ほぐす為だけの台詞じゃなかったんだ。











『ありがとうございます。…でも、國府田さんも疲れてるだろうし明日でいいですよ?』










「…あー…蓮二でいい。」









『…え?』







「だから呼び方!」








『あ、はい。』








そこを突っ込まれると思っていなかったあたしはポカーンとしてしまう。