「そうだったのか。…いや、あの國府田蓮二が認める女って珍しいなって思ってね。きっと蓮二とぶつかって怒りを買うのは優華ちゃんくらいだと思うな。これなら蓮二が気に入ったのもわかる気がする。」
『気に入られてはないと思いますよ?』
「いや、俺にはわかる。…きっと今回いい作品が出来ると思うよ。ああ見えて蓮二忙しいのに張り切ってたし。」
……いい作品が出来上がるといいな。
「さあ、着いたよ。優華ちゃんの連絡先は後、蓮二から聞いておくよ。土日の詳細はまた明日にでも連絡入れるね。」
『はい、ありがとうございました。』
話し方も運転も丁寧な高橋さんにあたしは深々と頭を下げた。
「それじゃ、また。」
『おやすみなさい。』
あたしが入ったのを確認すると、高橋さんの運転する車は発進した。
あと2日間…頑張らなくちゃ。
あたしは意気込んで自宅へと足を進めた。
