kiss × キス × kiss





《あ、優華ちゃんいたいた!あのね、響子ちゃんに電話したら自分のせいで迷惑をかけてるから最後残ってるシーンだけ今から来て撮影する事になったんだ。でも、これ以上撮影の日程は合わせられないからって最終章からは新しい脚本でお願いします。って事だったんだ。だから、響子ちゃんの台詞は覚えなくてOKになったからね。》








うわ。
響子さん無理やりスケジュール合わせて来てくれるんだ。







正直、響子さん風にメイクして出演は厳しいと思ってたから安心した。








『はい、わかりました。』






《だから今日の所は新しい台本を渡すからそれを今週の土日までに覚えて来てくれるかな?》







『はい。頑張ります。』







土日って事は…あと2日後…。
頑張らなくちゃ。









《少し現場の見学していっても大丈夫だけどどうする?》







見学していきたい所だけど、素人のあたしに2日間で台詞を覚えるのは未知すぎて不安が残る。










『すみません、台詞を少しでも早く覚えたいので今日は帰らせて頂きます。』








《そうかそうか。では、土日楽しみにしてるよ。》







ニコニコ笑う監督さんはすぐにスタッフに声をかけ忙しく阿部先生と打ち合わせに入った。









「では、ご自宅まで送らせて頂きます。」






『え、あ、大丈夫ですよ?』







「いえ、マネージャーの仕事なので。」







あ、そっか…今はあたしのマネージャーさんでもあるのか。