《蓮二くんが選んだだけあるよ。キミ、名前は?》 『…成瀬優華(ナルセユウカ)です。』 《優華ちゃんか。キミなら響子ちゃん以上の役も出来るかもしれない。ちょっと待っててね。》 そういい監督さんは近くにいたスタッフに声をかけ脚本家の人にも電話を掛け始めた。 あたしはもう何がなんだか分からないまま呆然とするしかなかった。 「な、大丈夫って言ったろ?」 不意に聞こえた耳元での言葉。 隣を向けば、満足そうな顔を浮かべる國府田蓮二がいた。