《いらっしゃいませ。國府田様》
ある一つのブランドのお店で立ち止まり中へ入ったあたし達。
そこには、全従業員が並んで立っていて何事かと思った。
「ああ。新作見に来た。」
当の本人は慣れた様子で店の奥へと進む。
それについて行けなくて、ただ入り口で立ち止まることしか出来ないあたし。
「なにやってんの?こっち来い。」
そんなあたしに気づいた國府田蓮二はあたしの腕を掴み奥へと進んだ。
『いつもここで買ってるんですか?』
通されたソファが並ぶ部屋は服屋さんなんて感じさせない造りになってる。
「あぁ。」
それだけ答えると近くにいた女性店員さんに声をかけた。
「悪いけど、連れにも良い服持ってきてもらえる?」
……え!?
連れってあたし…?
でも、あたしの他にいないよね…?
《かしこまりました。では、こちらへどうぞ。》
丁寧な言葉遣いで誘導されるがままについていった。
