Black World

今ので彼らも、普通の女とは違うと気付いてくれただろう。


私は盛大なため息を漏らす。


「絢瀬、凄い!!」


まひろみたいに彼らも単純なら良いが、そうもいかないだろう。


この南町を仕切り、上に立つ彼らのことだ。


いろんな疑いを、持っているだろう。


彼らの視線が、それを物語っている。


「話も終わったみたいなんで、俺らは」


成瀬はそう言い、歩き出す。


そんな成瀬に置いて行かれないように。と、私も歩みを進める。


なのに、成瀬は急に立ち止まった。


そのせいで、成瀬の背中に顔面をぶつけた。


痛ッ!急に、立ち止まらないでよ!