Black World

「で、何にしにここに?」


成瀬は、彼らに尋ねる。


「お前にも、話して置こうと思ってな」


弘毅の言葉に怠そうな顔をし、成瀬は次の言葉を待つ。


「北町の黒虎の頭、知ってるよな?」


黒虎の頭。その言葉に、変な汗が流れそうになる。


「それが」

「前の話は、白紙に戻ったらしい」

「白紙?」

「あの噂自体が、デタラメだったのか?それとも、状況が変わったのか?お前、何か知らないか?」


そして弘毅は、成瀬に淡々と話を続けた。


「それに、黒虎に姫が居るらしい。話によれば、頭の女だ」


頭の女。、、、そっか。


あの人には、もう大切に思う人ができたんだ。


やっぱり、私だけ。


時間の流れに、気持ちが付いて行かないのは。