Black World

「なんで、この学校に」

「なんでって」

「家から遠いでしょ」

「俺ん家、転勤属」


そう言えば、紫苑は中3の中途半端な時期に転校して来た。


「じゃ、親の都合で」

「まぁ、そんな感じ。そういう、そっちは」


なんで、あたしがこの学校にいるのか?


そう、聞いているのだろう。


「あいつらと同じ学校に行ったよな?」


そこまで知っていて、わざと聞いているのだろう。


他の人に聞かれても、話す気もなかった。


でも紫苑に聞かれたら、答えざる負えない。


「みんなこと、裏切った」


私の言葉に、紫苑の瞳が揺れる。


だがそれ以上、紫苑が追求してくることはない。