Black World

ため息を1つ溢し、私は言われた通りに端に座った。


体育館はネットを挟み、男子と女子に分かれている。


2クラス合同のようで、知らない生徒も居る。


「葵」


そう私を呼ぶ人間は、限られてる。


ネットを越しに、隣に腰を下ろす男。


「、、、紫苑」


相手の顔を見て、私は目を見開く。


どうして紫苑が、、、


彼の本当の名は、梶浦成瀬(なるせ)。


そして仲間以外で唯一、友達になった中学の同級生。


「驚いた?」


複雑そうに顔色を曇らせ、紫苑は口にする。


まさか、こっちで知り合いと会うなんて思ってもなかった。